図解で知ろう!本当のこと

洗たく・台所編

容器の表示を良く見てみよう!
 洗たく用洗剤と台所用洗剤の表示は、通産省の担当で、「家庭用品品質表示法に基づく表示」が義務付けられています。洗たく用洗剤の表示は、下記の例を見てください。左側の洗たく用合成洗剤には、成分として長いカタカナの界面活性剤の名前が書いてあります。これに対して右側は、洗たく用石けんで、成分には脂肪酸ナトリウムと書いてあります。石けんを選ぶポイントは、表示を見れば簡単です。石けんである証は、「脂肪酸ナトリウム」と「脂肪酸カリウム」です。他の長いカタカナの名前は、合成洗剤です。台所用洗剤も成分表示を見れば、合成洗剤か石けんかはすぐ見分けがつきます。
 「複合せっけん」という表示もありますが、これは、簡単にいえば、石けんに合成洗剤を混ぜたものです。合成洗剤が入っているという点では、石けんとは異なるのもので、人体や環境に悪影響を及ぼします。

洗濯用合成洗剤の表示例

洗濯用石けんの表示例

 

洗たく用合成洗剤に含まれる「蛍光増白剤」とは?
 ほとんどの合成洗剤に含まれていて、蛍光白色染料ともいわれています。これは、合成染料と同じようなもので、洗たく物に付着して青紫色の光を発し、白く見せているのです。蛍光増白剤で洗たく物を青白く染めているようなものです。
 蛍光増白剤は、発ガン性や環境ホルモンの疑いがもたれていて、「食品衛生法」では、食器・容器・包装材料・紙ナプキンなどに使用が禁止されており、また、「日本薬局方」では、ガーゼ・包帯・脱脂綿などへの使用が禁止されています。
 洗たくの目的は、汚れを落とし清潔にすることで、「白さ」が問題ではありません。合成洗剤に蛍光増白剤が入っている意味は、汚れ落ちの悪さをカバーするためなのでしょう。

 

「無リン」なら大丈夫?
 以前、洗たく用合成洗剤には「リン」が洗浄補助剤として入っていました。そのため、湖沼などに流れ込んだリンや窒素などの影響で植物性プランクトンなどの生物が異常発生し、水の透明度が悪くなるなどの障害が起きました。(富栄養化現象といいます)そこで、1979年に滋賀県や茨城県では、富栄養化防止条例を制定し、有リンの合成洗剤の使用を規制しました。これをきっかけに、ほとんどのメーカーが「無リン」に切り替えたのです。
 しかし、無リン洗剤でも主成分が合成界面活性剤の合成洗剤である以上、人体や環境に悪影響があることに何ら変わりはありません。「無リン」=「安全・安心」と勘違いしないでください。それどころか、リンの替わりに入れられるようになったゼオライトが水に溶けないため、配管が詰まったり、河川に溜まったりする新たな問題が生じています。

 

酵素パワー・バイオの力?
 酵素を売りにしている合成洗剤には、繊維分解酵素(セルラーゼ)・蛋白分解酵素(プロテアーゼ)や脂肪分解酵素(リパーゼ)などが入っています。
 この酵素が実際効果を発揮するのでしょうか?プロテアーゼやリパーゼは、少なくとも体温以上の温度でないと効果を発揮しませんし、短時間ではなおさらです。通常の洗たくではほとんど効果は期待できません。それどころか、衣服に残った酵素の人体への影響や排水として流された酵素の生物や環境に与える影響のほうが問題です。

 

柔軟仕上げ剤の意味
 合成洗剤で洗たくすると洗たくものがゴワゴワするため、それを防ぐために柔軟仕上げ剤が使われるようになりました。風合い・柔軟性・帯電防止を目的として合成界面活性剤(陽イオン界面活性剤)か使われています。柔軟仕上げ剤は「家庭用品品質表示法」の品目に入っていないため、メーカーの自主的な表示になっているので、何がどのくらい入っているのか表示を見ただけではわかりません。
 この陽イオン界面活性剤は、界面活性剤の中でいちばん毒性が強く、この毒性を殺菌として利用したのが「逆性石けん」という合成洗剤です。
 柔軟仕上げ剤は、洗たく後に衣類に残ることでその効果が出るわけですから皮膚に直接触れます。触れることで、汗などによって体内に取り込まれ障害を起こします。また、下着や衣類の吸水性が悪くなるので、あせもや湿疹の原因にもなり、特に赤ちゃんやアトピーの人には使わないようにしましょう。

 

植物生まれの台所用洗剤
 最近のコマーシャルでは、「植物生まれの・・・」という言葉をよく聞きます。しかし、これは、石油を原料とした合成品の批判を払拭し、イメージアップを図るために行っていることで、中身は、合成界面活性剤が入っているまぎれもない合成洗剤です。実際の植物油の使用割合は30%程度のようです。台所用洗剤も洗たく用洗剤と同様に、成分表示を見れば、合成洗剤か石けんかはすぐ見分けがつきます。コマーシャルに惑わされないようにしましょう。

 

除菌もできる?
 台所用洗剤では「除菌もできる」というキャッチフレーズが大流行です。売上も10倍増の勢いです。使う人の関心の高さを裏付けているのでしょう。しかし、食器は洗い流せば菌も一緒に洗い流されるので、どんな洗剤を使おうと同じなのです。しかも、通常の食器を洗う作業では、スポンジの除菌は不可能に近いといわれています。これも「植物生まれ」と同様コマーシャルに惑わされないようにしましょう。

 

野菜・果物は何で洗う?
 野菜や果物を合成洗剤で洗うと、それに残留し付着した洗剤が口から入る可能性があります。実際、東京都教育庁は学校給食に対し、野菜・果物は水洗いだけですまし、中性洗剤(合成洗剤)は使わないように指示を出しています。(1973年)
 また、1978年に、科学技術庁は「野菜・果物の農薬の落ちは、合成洗剤(0.1%濃度)で洗ったものと水道水で洗ったものとでは大差ない」と報告しています。また、「合成洗剤は、野菜や果物に残留するので注意する必要があろう」とも報告しています。
 ということは、野菜や果物を合成洗剤で洗うことは、まったく意味がなく、かえって付着した合成洗剤を一緒に食べてしまう害のほうが問題ということになります。
 結局、水で洗うのがいちばん良いことのようです。

 

学校給食での問題点
 東京都が1973年に学校給食に対し、野菜・果物は水洗いだけですまし、中性洗剤(合成洗剤)は使わないように指示を出してから、他の県もこれに準じましたが、食器は依然として合成洗剤で洗っているところが多く、そのため、調理員さんたちは手荒れや湿疹に苦しんでいます。このため、子供たちや調理員さんたちの健康のため、合成洗剤から石けんに切り替えるところが増えています。
 全国の三分の二の都道府県では、何らかの形で「石けん使用方針」を掲げており、特に、北海道の厚岸町・高松市・柏市などの市町村では積極的に運動を行っているところもあります。
 しかし、学校給食では依然として合成洗剤が使われ、環境ホルモンの溶出が懸念されるポリカーボネート製の食器が使われているところが多くあります。せっかく家庭で石けんに切り替えても学校で合成洗剤を取り込んでいることになります。子供たちの健康を守るためには、みんなの意識改革とそのことを他の人に伝えていくネットワーク作りが必要なのではないでしょうか。

 

デリケートな赤ちゃんにこそ必要なもの
哺乳ビン洗い
 
各メーカーから赤ちゃん向けの「哺乳ビン洗い」用洗浄剤が出されていますが、中身は合成界面活性剤が入った台所用合成洗剤がほとんどです。合成洗剤はすすいでも哺乳瓶に残留し、ミルクに溶け出して赤ちゃんが飲み込む危険性があります。合成洗剤の毒性は、大人より赤ちゃんのほうが与える影響は大きいのです。
体洗い
 
これも赤ちゃん用のボディーソープやスキンケア用品がありますが、実際、赤ちゃんにはスキンケアは必要なのでしょうか?赤ちゃんの肌はスキンケアなど必要ないほどみずみずしい美しい肌をしています。かえって、ボディーソープ中の合成界面活性剤の影響やスキンケア用品中の成分による影響のほうが心配です。
洗たく
 通産省は、赤ちゃん用の衣料には蛍光増白剤の処理をできるだけ行わないよう通達を出しています。しかし、蛍光増白剤入りの合成洗剤で洗ったら、もともこうもありません。すすいでも残留して付着します。特に肌着やオムツ・タオルなどは注意が必要です。
 柔軟仕上げ剤ももちろん使わないようにしましょう。オムツなどの吸水性が悪くなるので、あせもや湿疹の原因にもなります。

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