シミ、ミキビ、湿疹に...と表示した石鹸、傷んだ髪に...と大書きされたシャンプーなど、あなたの周りには不適切な表示の商品がワンサとある。
しかしそれ以上に我々を脅かしている化粧品による皮膚障害の実態に迫ってみよう。
国民生活情報センターの集計
全国の危険情報を集計している国民生活情報センターによると、
皮膚障害を起している患者の中で13〜19歳31%、20〜29歳30.5%が化粧品を起因とすることが判明。
皮膚炎発生頻度ワースト5
1位 化粧品 2位 健康食品 3位 美容 4位 医療機具 5位 下着
化粧品による皮膚障害の4分類
(1)刺激性接触皮膚炎(毒物性皮膚炎)
化学物質に触れた皮膚が炎症を起す。
パーマ液(チオグリコール)が頭皮などに付いた場合が一番多く、クリームが合わなかった場合やパック剤で過度のマッサージをした場合等。
(2)アレルギー性皮膚炎
この症状が最も多くの問題を含んでいるといえよう。その症状の進化は....
化粧品を愛用しだした頃には何も反応しない
↓
数日後痒みのある赤いボツボツが現われる
↓
そのまま化粧を続けると、ボツボツが大きく斑点になりより酷くなる
(3)光線過敏性皮膚炎
刺激性接触皮膚炎やアレルギー性皮膚炎が光を因子として発病。
光によって毒性を発揮させる物質が皮膚に付着し、光に当るごとに症状を起す。
(4)基礎疾患憎悪型皮膚炎
元々その人がもっているアトピー性皮膚炎の因子などが化粧品のもつ刺激に反応し悪化する皮膚炎。
多くの問題を含むアレルギー性皮膚炎の原因と治療
すべてのアレルギーは「アレルゲン」と呼ばれる「何か」に変質反応した状態を言う。
まず正しい免疫のはたらきは....?
アレルゲンが体内に侵入
↓
抗体(特定のアレルゲンに対するタンパク)が形成
↓
再度同じアレルゲンが侵入した時に抗体をはたらかせて抑え込む身を守る(免疫)
ではアレルギーの場合は....?
アレルゲンが体内に侵入
↓
アレルゲンを拒否する抗体を形成
↓
何度でもそのアレルゲンに触れる度に発病。
化粧品に含まれている界面活性剤は乳液等アルカリ物質やマッサージと共に、微量なアレルゲンを肌へ浸透させる作用をする。
そして化粧品に含まれているアレルゲンとは香料、色素、防腐剤、殺菌剤、等々。
特に香料による反応は高く、ハイドロキシシトロネラールやジャスミン油、合成香料が上位を占めている。
化粧品の成分は非常に多く、一つの化粧品で20種前後の化学物質を組み合わせているため、肌はかなりの化学物質に触れていることになる。
「何が」自分にとってアレルゲンなのか早く見つけて接触を避けることが必要だろう。
治療中に起きるステロイド皮膚炎
ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)は非常によく効く塗薬として重宝されているが、
多用していると副腎が紙の様に変形し活動出来なくなり再生はきかない。
又多用し続けていると、ステロイドによる皮膚炎になり、その症状をみて使用を止めると、リバウンド現象が起り、患部の症状はより一層悪化し最悪の状態になる。
ステロイド皮膚炎
治療者の話しを総合すると、
リバウンドがなく肌のトラブルを解消するのに優れているのは.....
症状が悪化している場合は、時間がかかるが「馬油」が、
又軽度の場合や予防には「ホホバ油」が一番効果があったということである。
美しくある事と健康である事を、今一度考えてみよう。
健康的な素肌が一番美しいのではないのだろうか?
和田 博行 2001年1月筆
写真/参照資料学研「日本環境白書」
『生きる』より