もっと知ろう!石けんのこと
「石けんと合成洗剤」長谷川 治
著
発行所 合同出版株式会社 より抜粋
石けんは形状によって「粉石けん」「固形石けん」「液体石けん」と呼び
分けられます。また用途別に洗濯用、台所用、住居用、浴用、洗顔用
などに区別できます。
また、「家庭用品品質表示法」という法律では、脂肪酸ナトリウムある
いは脂肪酸ナトリウムを石けんと呼んでいます。ナトリウム石けんは
「硬石けん」とも呼ばれ、硬めの石けんになります。カリ石けんは「軟
石けん」と呼ばれ、液体石けんです。
現在、固形石けんには牛脂とパーム油を使うのが一般的です。石け
んは原料の油脂によって、ヤシの油から作ったヤシ石けん、オリーブ
の油で作ったオリーブ石けんなどがあります。
石けんの性質は原料油脂の性質に影響されます。たとえば大豆油、
菜種油、コーン油などの液状油で作った石けんは軟らかくできあがり
、牛脂、パーム油のような固形油脂では固形石けんを作りやすくなり
ます。
また、ヤシ油はカセイカリを加えて作ると液体石けん(カリウム塩)に、
カセイソーダを加えて作ると非常に硬い固形石けん(ナトリウム塩)に
なる性質があります。ヤシ油を原料にした石けんには、皮膚刺激が
あります。
現在、浴用や洗顔用に使われている固形石けんは、牛脂(またはパ
ーム油)80%、ヤシ油20%の配合油脂を用い、適当な硬さ、泡立ち
を保つように作られ、皮膚への刺激が低いように考慮されています。
固形石けんにも、無添加の石けんと、合成酸化防止剤や防腐剤など
が添加されている製品があります。酸化防止剤として、BHT(ジブチ
ルヒドロキシトルエン)やエデト酸塩、また防腐剤としてパラベンなど
を配合し、さらに赤色401号や黄色201号(タール色素)などの合
成着色料やベンジルアルコールなどの合成香料などが添加されてい
ます。
これらの添加物は皮膚に対してアレルギー作用を及ぼすことがある
ので、使用には注意が必要です。