もっと知ろう!石けんのこと

「石けんと合成洗剤」長谷川 治 著
発行所 合同出版株式会社 より抜粋


水と混じりあわない液体を広く油(あぶら)と呼んでいます。鉱物性油と
動植物油脂が油の代表的なものです。
●鉱物性油―石油を精製して得られるガソリン、灯油、重油など。動力
用燃料や潤滑油、溶剤などに使われています。
●動植物性油脂―植物や動物から得られる油脂。食用として貴重なも
ので、生き物のエネルギー源(カロリー源)となる重要な栄養素の1つ
です。
常温で液体のものを油(オイル)と呼び、大豆油、菜種油、ごま油など
が含まれます。
常温で固形のものは脂肪(ファット)と呼ばれ、牛脂、豚脂、羊脂などが
あります。
動物から採れるものは脂肪が多く、多くが脂(ファット)ですが、魚から
採れるものは液体の油(オイル)の状態のものが大多数です。
しかし、油脂の状態は温度によっても変わります。たとえば、ヤシ油は
熱帯地方では常温で液体ですが、日本の冬では固形になっています。
このように、油と脂肪ははっきりと区別されているわけではなく、習慣
的に呼び分けているにすぎません。
実際の油脂は、さまざまな融点(融解点)をもつ集合体で、脂肪から液
体部分(オレイン)を採りだしたり、固形部分(ステアリン)を採りだして、
それぞれ利用しています。
最近では、油に水素を添加して固形状にした硬化油と呼ばれるものを
製造して、マーガリン、ショートニングの原料にしたり、分解して脂肪酸
として、工業用に使ったりしています。

追加情報
油脂を一定温度に放置すると、液体部分と固形部分に分離します。これを
オレイン(液体)、ステアリン(固形)として活用しています。パーム油からは
パームオレイン、パームステアリンが分離されます。オレインには成分とし
てオレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれて
います。

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