もっと知ろう!石けんのこと
「石けんと合成洗剤」長谷川 治
著
発行所 合同出版株式会社 より抜粋
油脂は、カロリーの高い栄養源として、すべての植物の種子、動物
の体に貯えられています。
植物油脂は、乾性油薄膜にして空気中にさらしておくと、比較的短
時間に固化乾燥する性質がある油で、酸化しやすい油)、半乾性油
不乾性油があります。
●乾性油―大豆油、亜麻仁油(あまにゆ)、桐油など。ペイント、ワニ
ス、印刷インクなどの製造原料に用いられます。
●半乾性油―ゴマ油、菜種油(なたねあぶら)、綿実油(ゆんじつゆ)
米油、とうもろこし油(コーン油)など。主に食用に用いられます。
●不乾性油―オリーブ油、椿油、落花生油、ヤシ油、パーム油(アブ
ラヤシの油)など。食用、化粧品、潤滑油、石けんの原料などに用い
られます。
動物油脂は魚油、鯨油(クジラの油)、牛脂(ヘット)、豚脂(ラード)、
羊脂、乳脂などが、主として業務用マーガリン、や石けんの原料など
に用いられ、工業用などにも使われています。
現在世界中でいちばん多く栽培・生産されているのは大豆油で、年間
約2000万トン(1997年)が生産されています。次はパーム油で、
約1700万トンです。
最近、マレーシアなど東南アジアで栽培されているパーム(アブラヤシ)
から採油されるパーム油の生産量が急増し、将来、世界一になるので
はないかと見られています。
パームの実は毎月採れるので、面積あたりの栽培効果は大豆の12倍
もあるといわれています。
最近では、大豆、菜種、とうもろこしなどは、アメリカやカナダを中心に
遺伝子組み換えをされた種子が使われており、健康や環境面への影響
を心配する声があがっており、世界的に大きな社会問題となっています。