もっと知ろう!石けんのこと

「石けんと合成洗剤」長谷川 治 著
発行所 合同出版株式会社 より抜粋


広告宣伝は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などマスコミを通してのみなら
ず、チラシや屋外広告塔、電車内のポスターやダイレクトメールなどで
もおこなわれています。このうちテレビが全体の34%、新聞が20%で
、この二つのメディアで広告宣伝費の半分以上を占めています。
自動車メーカーや家電メーカーも一大広告主で、スポーツ選手や芸能
人を使って大量宣伝をしていますが、それでも広告宣伝費は売上高の
1・2%程度です。
ところが、洗剤メーカーは大手二社(花王、ライオン)で、売上高1兆57
億円に対し、773億円、つまり7・7%もの金額を広告宣伝費に使って
います。これは自動車メーカーや家電メーカーの6倍以上に当たりま
す。
とくにテレビでは大手洗剤メーカー四社(花王、ライオン、P&G、日本
リーバー)で年間325時間、一日53分ものコマーシャルを流していま
す (98年関東地区のばあい )。
「スプーン一杯で驚きの白さに」「植物洗浄成分100%」「除菌もできる
」「ハーブで洗う」「家族をばい菌から守る」と、次々と繰り出されるコマ
ーシャルがなんと多いことでしょうか。
ジャーナリストであるバリー・コモナー氏は「なにが環境の危機を招い
たか」で、「イギリスの調査によると、洗剤の売り上げには、洗剤の質
よりも宣伝費がもっとも影響することが明らかになった」と報告していま
す。洗剤の売り上げと宣伝費は比例しているのです。
石けんのコマーシャルはあまりみかけません。石けんメーカーは中小
の会社が多いため、石けんのコマーシャルはあまりみかけませんが、
消費者団体や婦人団体などの地道な「石けん運動」によって、最近で
は石けんを使う人が着実に増えだしています。
東京都の調査によれば、「合成洗剤に対して何となく不安」を抱いて
いる人が、70%にも達しています。日常の経験から、コマーシャルの
ウソに気がつき始めているからでしょう。


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