もっと知ろう!石けんのこと
「石けんと合成洗剤」長谷川 治
著
発行所 合同出版株式会社 より抜粋
水と油が混じって乳化状態になっているものは、構造的に二種類ありま
す。ひとつは「油中水型」、もうひとつは「水中油型」といわれます。(Q
13参照)。
水中油型のマヨネーズを水の中へ入れてかき混ぜると、その外側は水
の層なので簡単に分散し、牛乳状になります。
一方、油中水型であるマーガリンは、はしやコップのガラスにくっつき、
分散しません。このようにバターやマーガリンなどは水に溶けないので、
排水管が詰まる原因になります。台所の排水で流さないほうがいいの
です。
では、水に分散するマヨネーズはそのまま流していいかというと、答え
はノーです。マヨネーズには酢が入っています。台所用石けんを使って
いる家庭では、酢を台所から石けんと一緒に流すことは厳禁です。酢に
よって石けんが分解され、もとの脂肪酸に戻ってしまうのです。この脂
肪酸が、排水管にくっついたりします。皿などについたマヨネーズは必
ずふき取ってから洗ってください。
化粧品にも乳化剤として、界面活性剤が使われています。化粧品は、
基本的には水に各種の油を溶かし込んだものです。乳化状態によって
ローション、乳液は水中油型、クリームは油中水型と水中油型の両方
の製品があります。
合成界面活性剤入りの化粧品を長く使い続けると、皮膚への浸透性が
強いために、累積性皮膚炎の原因になることがあります。
追加情報 マーガリンは、牛乳から作られるバターの代用品として開発された食品です。 液状油と固形脂をバランスよく配合し、レシチンやモノグリセライドなどの乳化 剤で乳化し、急冷混練して作ります。油脂含有率でマーガリン(80%以上)、 調整マーガリン(75〜80%)、ファットスプレッテド(75%未満)の三種類に分 類されます。 |