もっと知ろう石けんのこと

地球上の水は９８％が海水、淡水はわずか２％です。この２％の淡水

もその９８％は南極・北極の氷山での形で存在し、私たちが利用でき

る川、湖、沼、地下の水は２％にすぎません。このように地球全体か

ら見れば、私たちに利用可能な生活用水はたった０・０４％以下しか

ないのです。

このわずかな水の中に家庭雑排水や工場排水に含まれる合成洗剤、

農薬、ダイオキシンなどの化学物質が流れ込み、ホタルはおろかメダ

カさえ棲めなくなりつつあります。

合成洗剤は４０年ほど前、大量に生産・販売された頃から泡公害、湖

沼の富栄養化、死亡事故、主婦湿疹、ホルモンのかく乱などさまざま

な問題を引き起こしてきました。

とりわけ私たちの生命を支える水環境の汚染が深刻化するにもかか

わらず、私たちが家庭で消費する合成洗剤は、年間１００万トンにもの

ぼり、減る気配さえありません。合成洗剤は、いぜんとしてくらしの中

で消費される最大級の人工化学物質です。

環境ホルモン、化学物質過敏症、アトピー症皮膚炎に象徴される化学

物質汚染に、私たちは警鐘を鳴らし、くらしの中で化学物質の問題を

解決していく時代になっています。

「合成洗剤も石けんも一長一短」と言われますが、本当でしょうか？

ここでは「洗浄・洗剤」「石けんと合成洗剤」の問題をコマーシャルに振り

回されることなく、自分の目で見、考え、科学的視点を身につけるための

テキストとして書きました。

洗剤問題を通して自らの生活を見直し、地球環境全体の問題をも考える

きっかけになれば幸いです。

資料提供　太陽油脂（株）
「石けんと合成洗剤」長谷川治 著

発行所　合同出版株式会社

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